2015コラム

▼ 一月のことば

 「一年の計は元旦にあり。」といわれたのは一昔前か。
 それでも「何事もスタートの時に思考をめぐらせプランの8割を想定し、2割をリスク管理する」という示唆の富む言葉であるには違いない。
 いろいろな事情から大企業を中心に来年度の採用・広報活動は3月スタートとなることを受けて、当社として採用・広報活動に注力すべき時期をいつにするのか、悩ましいところであるが、受け手である大学生の皆さんからすれば「あまり変えないでほしい。」というのが希望ではないか。とすれば毎年と同じように5月から会社説明会を開催することで、当社を希望いただける皆さんに安心して採用説明会などに参加いただけると思う。
 当社の最近の傾向は夏場に採用予定数の三分の二、秋採用に三分の一の配分で採用しており、海外の大学から帰国する方等も多く入社いただいている。
 来春ご卒業、来夏ご卒業のみなさん、一年の計は事始にあり。2割のリスク管理も忘れずに就職活動に取り組んでください。
 是非当社も候補に加えていただければ幸甚です。

▼ 二月のことば

 某テレビ番組で「プロフェッショナル」についての放送がある。
 その放送で「世界一清潔な空港」の放送があった。ネットでも出ているが、日本のトイレの清潔さは他の国からみると驚きのレベルにあるようだ。どこまで清潔さを追求するかはさておき、当社が入るビルのトイレもレベルが高い。毎朝出勤し、お邪魔するのだが、そこで働く人から「おはようございます。いつもお使いいただきありがとうございます」とか「足元がすべりますのでご注意ください」という言葉をかけていただき、言葉の使い方で、こちらも「きれいに利用しよう」という気持ちになる。
 プロフェッショナルの働き方とは、その行動を通じて大きな感銘から小さな感銘を周囲の方にもたらせるものである。会社員のプロとは、その行動や判断力をもって周囲によい影響を与えられる人物であると思う。そこには成長と協調が生み出されている。一つ一つの行為が感銘をもたらす社員を育成することが会社の使命であるとわきまえたい。

▼ 三月のことば

 3月1日から2016年新卒生の採用活動が始まった。
 当社も今年から経団連の採用選考活動早期開始の自粛の指針に準じて、例年は12月に開始していたWEB媒体(リクナビ)での広報活動を3ヶ月に後倒しにして開始している。
 これに合わせて、会社説明会・セミナーも5月の連休以降順次開催し、内定を出すのは8月1日以降になる。今年の就職戦線は、各社ともにまさに「夏の陣」へ向けての短期決戦になることが予想される。
 経団連の指針の目的は「学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため」である。その目的に沿って、面接では学生のみなさんが学生時代をとおしてどんなことに専念してきたのかをじっくりと聴かせていただきたいと思う。
 新卒時の就職活動は一生に一度しかない、自分を成長させる貴重な機会であると思う。これだけ本気で自分自身と向き合い、本当の自分を理解するに至るという経験は人生のうちでもなかなかできないのではないだろうか。ぜひ、よく考え、心を整理して、自分の壁を乗り越えて成長する過程を楽しみながら、就職活動に臨んでいただきたい。
 夏の日差しに日焼けしたみなさんの笑顔に出会えることを楽しみにしています。

▼ 四月のことば

 今年の新入社員に対する各社の社長の話の中で使用された言葉では「変化」と「結束」が多かったようである。「変化」についてはいろいろな世情を示す言葉であり、「結束」は内側に向かって発するキーワードである。「結束」は一頃もてはやされた個人の成果主義と隔世の感があるという印象である。成果主義とは対極にある「結束」を新入社員に呼び掛ける経営者の意図の裏に何があるのであろうか。詰まる所、企業が評価されるものは個人の華々しい功績ではない。「結束することで厳しい環境を乗り越える企業の強さ」が会社の評価尺度になっていくという思いではないのか。
 当社にも本年13名の新卒が入社したが「結束」の真意を理解するには少し時間を必要とするだろう。また各社の社長は新入社員に限らず、中堅社員から上位にいる社員の方々にも問いかけているように思える。新しい年度の始まりに当たり、「結束」するため欠けているのもは何か、すぐには答えが出ないが熟慮するにふさわしいテーマである。

▼ 六月のことば

 先月より改正会社法が施行されて、企業の経営状況を正しく把握して、牽制する機能を強化することとなった。
 資本主義経済において株主の利益、知る権利をキチンと確保することで経済全体の健全性を保つことが重要になっており、特に大企業の子会社経営の確認行為が明確にされたことは「経営が別なので知らなかった」では済まされないことを意味している。
 会社は生き物であるからケガをすることもあれば病気になることもある。しかしよく見ていれば必ず病気の兆候に気が付くのが通例であり、それを見逃すことは経営者に許されない。またリスクばかりに目を奪われると縮小均衡というジレンマに陥る。
 成長が課題である限り、リスクをコントロールする能力と健全性を常に確認するという診断能力、治癒力がこれからの会社のテーマである。
 就職活動をされている皆さん、長丁場の就職活動になっているとおもいますが、会社の健全性にも注目して会社選びをしてください。

▼ 七月のことば

 火山活動の活発化、台風の襲来など自然災害の発生が毎日取り上げられたり、ギリシャの債務不履行リスクなど経済環境の不安定な状況もあり心配事が多くなっている。
 こうした不安定な要因は、来春就職を目指して活動している学生の皆さんにも、少なからず心理的に圧迫を与えている。また、企業採用担当者の焦りも重なり「オワハラ」なる現象も生じさせている。
 8月の企業採用の解禁を前にして、いよいよ本命企業との採用活動に臨まれる皆さんは、事前準備に余念がないことと思う。折角希望を胸に入社試験を受けても「オワハラ」ではその気持ちも冷めてしまう。企業側も、試されている立場にあることを忘れた行為は、例え担当者の一存であっても企業価値が大きく下がるということを再度確認して、入社試験を進めることが必要と考える。

▼ 九月のことば

 9月は台風シーズンである。毎年対策が講じられているが自然はそれを上回るスピードで強大になり、被害も出やすくなっている。
 弊社は「社会貢献・ボランティア支援制度」を新設した。被災地への支援やその後のボランティア活動に社員に積極的に参加してほしいという趣旨で、交通費や宿泊費の補助を行うという制度である。
 東日本大震災以来、日本全体に災害発生時の「被災者支援」「ボランティア」などが社会貢献の一つとして共通意識が形成されている。
 また、企業としての価値は多面的に評価されてきており「納税」「雇用」「技術進歩」「付加価値創造」などがあるが、「企業の社会的な価値」として社会貢献も問われてきている。
 社長方針、企業グループ全体の方針もあり、企業が継続してこうした活動に取り組むことが、社会の持つ潜在的な相互互助という力を強くしていくことになり、さらに国としての価値も上がることにつながる。
 現実的には、制度ができればすぐに実行できるわけではないが、少しずつ経験を得ながら勉強してノウハウを蓄積しなければならない。それにはまずは第一歩を踏み出すことが重要である。「災害の撲滅」は困難かもしれないが、社会の対応力を更に良くすることはできる。

▼ 十一月のことば

 来年度の採用活動の開始について6月とすることが検討されている。またこれに対応して海外留学生についても卒業時期との関連から採用開始時期について何らかの対応が検討されるようである。
 最近の時世を見るといろいろな配慮が多すぎて、逆に不公平感に結びついているような点もある。もっとしっかり勉強させたいので入社試験の時期を後ろ倒しにしてほしい。いや後ろ倒しではうまくいかないからもう少し前倒しの方がよい。という議論は何を見て議論をしているのか?
 「視点」が異なるのだからどちらも言い分はあるのだが、学業をしっかりやりたい人間はアルバイトもせずに勉強するであろうし事前に就職活動と学業のバランスを考える、海外留学している人は就職時期ではなく、自分の留学経験に重きを置いたのだから、特段の配慮も実は必要としていないでのはないか?
 本当は、もう少し企業として時期の門戸を広くして、「新卒」という定義に幅をもたせて企業が欲している人材を確保することが抜本的対応かもしれない。入社3年後の退職率が30%を超えている現状にもう少し重きをおいた議論をして、選考過程が短くなっていることが学生、会社に大きな負担となっていることに対応すべきと考える。