2019コラム

▼ 一月のことば

 新年あけましておめでとうございます。
 今年は、平成天皇のご退位、それに伴う元号改正と大きな行事が控えていますが、当社も創立40周年を迎えることとなります。信用調査会社では、創業30年以上の会社を「老舗」としており当社も老舗の一員となっています。古くから続いているものの中に俳諧があります。その俳諧に「不易流行」という言葉があります。いつまでも変化しない「不易」と、時代に応じて変化する「流行」が根本において同じということを表しており、時代が変ったのに古くからの法則や方法に縛られていると衰退してしまうし、変えてはいけない部分を変えてしまうとあっという間に滅びてしまう、ということを表しています。このような教えがあるからこそ俳句は長く続いているのでしょう。私達も、変えてはならないコアはしっかり残し、変えるべきことは果断に変え、変えたものもまたコアの一部として残してゆけば50年、100年と続く会社になって行くのでしょう。私達一人一人も同じだと思います。
 皆さんも新年を迎え新たな気持ちで、変わらぬ思いを持ちながらも新しい変化に挑んでみてはいかがでしょうか。

▼ 二月のことば

 今年の節分は2月3日です。節分に恵方を向いて無言で食すると縁起が良いとされる巻寿司を、あるコンビニが恵方巻きとして2000年前後から販売し、今や、すっかり定着しています。1月中旬に農林水産省が、「フードロス」と呼ばれる食料廃棄問題への取り組みの一環として、恵方巻きの作りすぎを控えるようコンビニやスーパーの業界団体に要請したというニュースがありました。この要請に対して、業界側は1本当たりサイズを小さくするとか予約販売を増やす等の対策を取るそうです。一方では、日本全体のフードロスは年間646万トンもあるそうで、恵方巻きのロスを減らしても効果はほとんどないという意見もありました。
 同じような話を、年明けの賀詞交歓会でプラスチック業界の方から聞きました。某コーヒーチェーンがプラスチック製ストローを廃止すると発表しましたが、世界中で使用されているプラスチック全体の量からすれば、ストローの占める比率は微々たるもので大した効果はなく、本気でプラスチックごみを減らすのであれば、他に取り組むべきことがあるとのことでした。
 現在、2015年に国連で採択されたSDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」に従って三菱電機グループでもいろいろな取り組みが始まっています。上記2つの事例は効果のほどはさておき、一消費者として環境問題について意識するきっかけになりました。

▼ 三月のことば

 いよいよ3月、日に日に穏やかな陽の光もまぶしさを増してくるようになりました。季節の節目を表す二十四節気のうち、3月の節気で誰しも知っているのは春分ですが、もうひとつその前にやってくるのが「啓蟄(けいちつ)」。啓は「ひらく」、蟄は「土中で冬ごもりしている虫」の意味で、土の中の虫が地上に這い出てくる季節として立春から数えて3番目の節気にあたる3月6日頃を指すようです。大寒とか穀雨のように気候や気象からくる節気がほとんどのなかで、生き物の活動をモチーフにしているのはこの啓蟄だけではないでしょうか。
 ところが、今年はエルニーニョ現象が続いているせいか、暖冬の影響で虫の活動も早まっている様子。桜の開花も東京では平年より5日早い予想もあり、異常に早かった昨年よりは遅いとはいえ、これだけ暖冬が続くと季節感もずれてきてしまいます。多分、昆虫のほうが季節には人間よりも敏感で、まだ啓蟄ではないのに地上に出てきて驚いているかもしれません。
 人間にとっては暖冬のほうが過ごしやすいですが、人間の起こした異常気象で迷惑を被るのは人間だけに留まらないことを、節気を迎えるごとに考えさせられます。

▼ 四月のことば

 いよいよ平成最後の月となりました。そして新元号が「令和」と公表され、5月からは新しい時代が始まります。正月が2回あるような気分で、気が引き締まります。
 さて、今回は当社の規模(年商)をもとに平成史を振り返ってみます。  平成元年はまだメルコオーバーシーズの時代で、年商は34億円でした。日経平均株価が史上最高値の38,957円を記録し、消費税(3%)が始まりました。
 平成6年に100億円を超え、村山連立内閣が発足しました。
 平成15年に1,000億円を超え、日経平均株価がバブル後最安値の7,607円を記録しました。そして、当社が三菱電機トレーディングに社名変更した平成16年は1,454億円でした。この年にfacebookが誕生しました。
 平成19年に2,000億円を超え、公的年金の加入記録漏れが5,000万件以上となり、大騒ぎになりました。
 平成29年に3,000億円を超え、トランプ大統領が誕生しました。
 そして平成最後となる31年2月に当社創立40周年を迎えました。
 このように平成時代は当社にとってまさに成長期でした。明治、大正、昭和、平成に続く「令和」が、皆様にとって、当社にとって、ますますより良き時代となることを祈りたいと思います。
 「初春の令月にして、気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす」

▼ 五月のことば

 「令和」最初の月を迎え新しい時代が始まりました。今年は5月1日が「天皇の即位の日」として祝日になったため、ゴールデンウイークが10連休となりました。4月に新年度を迎えて、就職、転職、異動などで新しい環境に飛び込んだり、環境は変わらないまでも、心機一転、新たな気持ちで取り組んだりして過ごした1ヶ月が終わりました。大型連休で、心身を休め、リフレッシュすることができたと思います。
 元号が変わり新しいスタートとなりましたが、経済に目を向けると、米中貿易摩擦により、世界景気を牽引してきた中国経済にも以前のような力強さはなく、日本では10月に消費税増税が控えています。新しい時代は始まったばかりですが、決して順風満帆ばかりとはいきません。AIなどの新しい技術を活用して、時代とともに変革して荒波を乗り越えていく必要があります。
 4月までは随所で耳にした「平成最後の」というキャッチフレーズが「令和最初の」と変わります。何をするにも新たな気持ちで取り組むことで、普段、何気なくしていることが、また違った見え方をしてくるかもしれません。そういう機会にしていきましょう。

▼ 六月のことば

 6月は旧暦では水無月と呼びますが、なぜ梅雨時に水が無いのかと思う方も多いのではないでしょうか。水が無いのではなく「無(な)」が「の」にあたり、水の月という説。田んぼに水を引くため、本当に水がなくなってしまったからという真逆の説。それぞれ地域の事情で意味合いが異なっていたようです。
 それにしても毎日のように降る雨は、私たちを沈んだ気持ちにさせますが、一方で気温が上がり、恵みの雨を受け、美味しい食材が旬を迎える時期でもあります。ハウス栽培で一年中食べられるトマトですが、大地の香りがする路地物の格別なおいしさが安価で味わえ、また美味しい枝豆でビールを味わうのもこの時期ならではです。野菜に限らず穴子、鮎、海老、鰯、かんぱちなどの海産物。無花果、メロン、西瓜、サクランボ、マンゴーなど、デザートに事欠きません。

 今夜は早く帰り、うまいお酒を買い、旬の美味しい食べ物に囲まれながら、至福の時といきましょうか。

▼ 七月のことば

 6月からサッカー女子ワールドカップがフランスで開催されており、日本代表(なでしこジャパン)は2度目の優勝を目指し、熱戦を続けています。2011年6月に開催されたドイツ大会では決勝戦でアメリカ代表と対戦し、見事初優勝を果たしました。その年は3月に東日本大震災があり、世の中は暗いムードでしたが、優勝の快挙が日本中を明るくしてくれたことを、今でも記憶しています。
 サッカーは11人の選手で行うスポーツですが、12番目の選手としてサポーターが存在します。サポーターの熱い応援を受けた選手は一層力を発揮し、勝利と言う好結果を生むと言われています。会社で例えるならば、事業に直接関わる人が選手、事業を支える人やICTがサポーターと言うことができます。昨今、ICT技術がどんどん進歩し、業務や事業を変革する上で必要不可欠な時代になっています。この状況に乗り遅れることなくICT化を進めて事業をサポートし、事業に好結果をもたらしていくことが大切だと感じています。
 さて、なでしこジャパンの結果が気になりますが、今年9月にはラグビーワールドカップ日本大会、来年には東京オリンピック/パラリンピックと大きなスポーツイベントが続きます。私も競技場やテレビの前で1サポーターとして選手に熱い声援を送っていきたいと思います。