2016コラム

▼ 三月のことば

 暖冬と言われた今年の冬も、次第に春の訪れを感ずることができるようになった。会社経営の総括の時期でもあり、各社は本年度の決算に向けた事業活動に注力している。
 来年は就職活動の解禁時期がまた変更となる。いろいろ物議をかもし、またかという感じもする。何事も変更する際には、誰が得をして誰が損をするという見方が大事であるが、今年の時期変更は誰も満足しなかったという特筆すべき事項があった。世の中が複雑になり利害が絡み合うと、時として「内容を吟味しない」で「GO」をかけることがある。
 経済・政治・宗教などが複雑になればなるほど、内容が吟味されないで単純な思考が選択されることは慎むべきことである。問題を解決するためには、それに関与するすべての課題を考慮する必要がありそれには忍耐が要求される。
 今年の就職解禁は本当によく吟味された結果であろうか?それともよく単純に決められたものか?就職活動を開始される皆さんがこれにうまく順応して納得のいく結果を得ることを切に希望する。

▼ 五月のことば

 熊本地震で被害を受けられたみなさまに謹んでお見舞い申し上げます。また、被災地の一日も早い復興を心からお祈りいたします。気象庁から発表された向こう3か月予想では、九州地区は平年よりも降雨量が多い見込みとなっており、土砂崩れなどの二次災害が心配です。
 先日、昨年度に入社した新卒社員の1年間の締めくくりとなる研修成果発表会が開催されました。入社当初は、上手く発表できるか心配していましたが、各人とも現場で体験したことに基づくテーマで発表を行い、内容・プレゼンの態度とも申し分のないものでした。先輩諸氏の指導の下、皆が格段に成長したと実感できました。今後も初心を忘れずに精進を重ね、更なる飛躍を遂げることを期待しています。

▼ 六月のことば

 いよいよ6月に入りました。梅雨を控え本格的な暑さもまだこれからという時期ですが、季語には初夏とか向暑なども使われます。そして、21日には夏至を迎えます。早いもので今年ももう折り返し点ということになります。この半年間でも国内外での大規模な自然災害、テロや凶悪な事件が頻発しました。せめて後半の半年は穏やかであってほしいものです。
 5月はかなり暑い日が続きましたが、暑さのピークはまだまだ先。まだ体が暑さに慣れていないこの時期に熱中症になる人がぐっと増えるそうです。
 新卒採用活動の面接解禁もこの6月。ここ丸の内界隈もスーツ姿が初々しい学生さん達の往来も目立ってきました。熱中症に気をつけて、有意義な就職活動を進めてほしいと願っています。

▼ 七月のことば

 英国国民はEUからの離脱の意志を表明した。EU設立以来の危機である。
 今から15年程前に欧州に出張したとき、飛行機の中で隣合せになったスペイン人が、「自分はスペイン人である以上にヨーロッパ人である。」と誇らしげに、嬉しそうに語りかけてきたことを思い出す。
 幾度もの悲惨な戦争を繰り返し、移民の受入れのみならず何世紀にも亘る民族大移動も歴史的に経験してきた欧州にとって、EUという解は単に世界における確固たる経済的地位を確立するだけでなく、人々が互いに平和に生きていくための叡智の結晶ではないかと思う。2012年にEUがノーベル平和賞を受賞したのも、その成果と将来への期待からであった。
 ジョン・レノンの歌に Imagine というのがある。その歌詞の2つめのパラグラフは “ Imagine there is no countries ” で始まり、“ Living life in peace ” と続く。彼は天国から、同じ英国国民による今回の国民投票の結果を、どういう思いで見ているだろうか。
 組織は常に完全ではなく、どこかにほころびはつきものだ。英国国民は今のEUのあり方に疑問を投げかけているのは事実だが、ゼロサムの判断ではなく、欧州全体がより強くなるために再びヨーロッパ人の総力と叡智を結集して、新たな解を見出してほしい。

▼ 八月のことば

 いよいよ、リオデジャネイロ五輪が開幕する。一部の競技は先行して8月4日から始まるが、開会式は8月6日、閉会式は8月22日の予定である。日本選手への応援で睡眠不足の毎日になりそうだ。
 開幕前にいろいろな問題があったが大丈夫だろうか。衛生面への懸念としては、「ジカ熱」の感染拡大やセーリング会場の水質汚染等があげられる。また、治安の面では、犯罪発生率が高い上に強盗等の重い犯罪が多いことが指摘されている。これらの問題を解決する大会運営が実現できることを期待している。
 一方、世界反ドーピング機関(WADA)から国家主導のドーピングが指摘されたロシアの選手に対する国際オリンピック委員会(IOC)の判断が注目されていたが、IOCは7月24日に厳しい出場条件の下で、リオデジャネイロ五輪への出場を認めることにした。ただし、既に国際陸上競技連盟が出場を認めないとしている陸上を除く27の競技が対象である。
 ドーピングはクーベルタンが提唱したオリンピックのあるべき姿から逸脱した違反行為である。勝つことが最優先される考えは、かつての企業において利益の追求が最優先された姿に通じるものを感じる。現在では、企業は利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任を持つことが重要視されており、コンプライアンス(法令順守)が最優先されるように変化している。ドーピング等の不正行為も同じような考えでなくなってほしいものである。

▼ 九月のことば

 台風の接近・上陸は8月から9月にかけて多いが、関東大震災が起きたこと、また、暦の上で台風の多い二百十日に当たることから、9月1日は「防災の日」に制定されている。この「防災の日」を含む1週間が「防災週間」である。
 「防災の日」及び「防災週間」には、防災訓練や防災知識を普及・啓発するための行事等が、全国各地で実施されているので、この機会を利用して、台風・高潮・地震などの災害に対する認識を深め、平時の備えについて確認して、災害にしっかり備えてもらいたいと思う。
 東日本大震災以降企業活動の大きな課題としてBCP(Business Continuity Plan)の策定が上げられ、多くの企業で取り組まれている。当社でも策定しているが、計画がきちんと運用できるように、毎年、災害対策本部の構成、インフラ・ネットワークの見直し、災害備蓄品の棚卸し、等の更新作業を行っている。

▼ 十月のことば

 今年は、熱帯から亜熱帯海域にて海面水温が高く台風が発生しやすい状態が、9月まで続いていた。しかし、気象庁発表の「向こう1か月の天候の見通し」によると、西日本、沖縄・奄美では低気圧や湿った気流の影響で10月の降水量は「平年並か多い」、その他の地域では「ほぼ平年並み」と、ようやく秋らしい天候になるようである。
 10月1日は経団連の指針で新卒学生の正式な内定日とされている。今年は1日が土曜日なので、3日の月曜日に内定式を開催する企業が多いようである。内定者から、「入社するまでに勉強しておいたほうが良いことがあったら教えてください。」という質問がある。社会人になったら長期間の休暇を取ることは難しいので、学生生活の最後の時間は旅行等で有意義に過ごして欲しいと思っている。

▼ 十一月のことば

 先月は、暦どおりの秋らしい天候が多く、過ごしやすい日々が続いた。
 毎年この時期に弊社のOB会を開催している。当日はお日柄も気候も大変良く、万事滞りなく進み、天に感謝である。
 このOB会は、これまで弊社を築いていただいた多数のOB・OGにお会い出来る大切な場となっている。当日は懐かしい諸先輩方の益々お元気な姿を拝見できて、これまた感謝である。参加されたOBの現役時代の言葉を思い出した。「人間、何事に対しても感謝をしないといけない。常に感謝の気持ちを忘れることなく仕事をするように」と。今、この場所にいること・働いていられることに感謝しないといけない。
 今月23日は勤労感謝の日である。祝日の中で唯一「感謝」という字が入った日でもある。普段忙しいことを理由に忘れがちになっている自分を戒めるとともに、弊社に関係する皆様の日々の勤労に改めて感謝したい。

▼ 十二月のことば

 師走に入り、今年も残すところ1ヶ月となった。先月24日には関東地方で54年振りとなる初雪が降り、いよいよ本格的な冬到来である。
 さて、今年を振り返ると国内外において様々なニュースや出来事があった。4月には熊本地震、6月にはイチロー選手の日米通算最多安打達成、8月には「リオオリンピック・パラリンピック開催」、9月は「日本の広範囲で雨が続き日照不足」など。先月の米大統領選挙は記憶に新しいところである。その中でも、一番のニュースは「熊本地震」ではないだろうか。未だご苦労されている方々が多勢いらっしゃる。お亡くなりになられた方々、被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。
 弊社においても、この1年は「基本動作の確立」と「コンプライアンス徹底」を念頭に業務に取り組んできた。来年も良い年にするためには今年以上の努力の積み重ねが必要である。万事肝に銘じておく。

 2017年はどんな年になるのであろうか? 平穏無事な年になるよう祈りたい。