毎月のことば

2018

2018年のことば

十一月のことば

 今年の夏は酷暑でしたが、最近は、朝夕も肌寒くなり暦通りの秋らしい頃合いになっています。秋はやはり、食欲の秋!サンマが美味しい季節ですね。今年は北海道の東沖が豊漁で、水揚げ量は前年の2.4倍とのうれしい情報もあります。
 さて、「食欲の秋」ですが、なぜ秋になると食欲が増すのでしょうか。最近は、精神の安定に深くかかわっている脳内伝達物質「セロトニン」の低下が原因ではないかといわれています。「セロトニン」は太陽の光、日照によって分泌されます。しかし、夏から秋になり日照時間が短くなると「セロトニン」の分泌が減少され、「やる気」や「精神の安定」が低下します。日光で補えない分は、肉類や糖質、乳製品の摂取で補う必要があり、そのために秋になると食欲が増すそうです。心身の安定のためにも、美味しく食べて「食欲の秋」を楽しみましょう。

十月のことば

 先月は、台風21号、北海道の地震と立て続けに大きな自然災害が発生しました。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
 さて、先月新卒の採用について経団連会長が就活ルールを廃止する意向を表明し、議論を呼びました。
 あらためて就活のルールについて調べてみると、1953年に大学・業界団体、関係官庁により合意された「就職協定」からスタートし、協定が廃止された翌年の1997年から経団連の倫理憲章として現在に至っています。就職協定が運用されていたころは、ルールを破ると社名が公表されるというペナルティーがあったにもかかわらず、いわゆる「青田買い」というルール違反が横行していたそうです。
 それを考えると、現在の就活ルールが紳士協定で、しかも経団連の加盟企業に対する要請となっている現状は、ルールを守っている経団連加盟企業にとっては不公平であり、今回、会長が就活ルール廃止に言及したことは理解できます。
 最近の新聞記事によると2021年卒から経団連ルールを廃止し、政府・大学が主導してルールを作り、企業に要請するということになるようです。
 今、世界はアメリカの自国第一主義に翻弄されていますが、採用する側としては、自社第一主義で抜け駆けする企業ばかりにならないよう願いたいと思います。

九月のことば

 9月になりました。今夏の暑さは厳しかったですね。まさに酷暑でした。夏も終わり、まだ残暑はありますが、秋を感じられるようになりました。夕方、買い物に出かけて、気づいたら、きれいな月が出ていました。秋は月の季節。普段よりきれいに見えるのは、適度な高さにあって空気が比較的渇いているからだそうです。月を見ていると、何となく語りかけてくるような気がします。お天道様が見ている、という言葉がありますが、太陽をこちらから直視することは難しくて、一方的に見られているような感じ。月はこちらからも眺めることができ、真ん丸で笑っているようなときもあれば、欠けてそっぽを向いているときもあります。月に親しみを感じるのはインタラクティブなせいでしょうか、とても穏やかな気持ちにさせてくれます。
 自動運転をはじめとした自動化、無人化が急速に進んでいます。当社もRPA(ロボットによる業務自動化)に積極的に取り組んでおり、この流れは加速していく必要があります。こんな時代にこそ、人とのコミュニケーションを大切にしたい。自動化によって創出された時間の一部を使って、ぜひ人と対話する時間を増やしたい、と、月と話しながら思いました。

八月のことば

 中島みゆきの「帰省」という歌に次のような歌詞があります。
 「・・・まるで人の全てが敵というように 肩を張り肘を張り 押しのけ合ってゆく けれど年に2回 8月と1月 人ははにかんで道を譲る ふるさとからの帰り つかの間 人を信じたら もう半年頑張れる・・・」日本人なら誰でもホッとする「盆」と「正月」のことですね。この暑い8月の真ん中にお盆があって、先祖の霊を供養する習わしは、日本人のDNAに深く刻まれています。私の近所では、今でもナスとキュウリを牛と馬に見立てて庭に飾る風習があります。ご先祖様には馬のように早くあの世から家に帰ってもらい、牛のように遅く戻ってもらいたいという切ない願掛けだと思います。もともとは仏教の盂蘭盆会の行事から始まったらしいのですが、とにかく盆と正月は日本企業の殆どが休みます。これは、江戸時代に小正月とお盆の時期を商家が、藪入りとして奉公人たちが実家に帰るための休みにしたのが始まりだそうで、この休暇も歴史があるんですね。お盆は正月に比べて地味でイベントも少ないので、のんびり静養できます。せいぜい高校野球に熱くなるくらいです。正月休み明けは結構くたびれて(飲み過ぎて?)会社へ行き、行ったら行ったで年始の挨拶やら何やらで結構慌ただしいのですが、お盆明けはわりとリフレッシュした気分で出社できる気がします。みなさんはこの夏、どのようなお盆休みを過ごされますか?たまには自分にもご先祖様はいたんだ・・・・くらいは心ひそかに思ってみてはいかがでしょうか。
 そして、正月までの半年、頑張りましょう!

七月のことば

 人間の価値と行為は別物と考えることで、気持ちが随分楽になるらしい。
 先日、ある心理臨床のラジオ番組で、心の持ちようやものの考えかたで精神のやすらぎや苦悩からの回復度合いが異なる事例を紹介していた。
 友人同士としてのつきあいののち、ある男性が女性にいよいよ交際を申し込んだところあえなく断られた。断られた彼は、彼女に対して自分の何が悪かったのかひどく悩み、自分を責めすっかり落ち込んでしまった。しかし、人が好きか嫌いかの判断は、自分にとって都合がよい存在なのかどうかで決まるだけなのだというのである。彼女にとって彼は自分の利益にはならないと判断しただけであり、彼の、人としての価値とは全く違うものなのである。
 そう考えるだけで、気持ちも楽になり、諦めもつく。自分が傷つく必要もない。
 うっとうしい梅雨の季節、心も塞ぎがちになるこの頃であるが、物事を違う見方で前向きに考える余裕は常に持ちたいものである。

六月のことば

 欧米には6月の花嫁(JUNE BRIDE)は幸せになれるという言い伝えがあります。女性・子供を守る女神JUNOは、6月を守護しているためご利益があるという説と、欧州ではこの時期暖かくなり、気分も晴れやかになるからだという説もあるようです。少し前にカナダに住んでいたころ永い冬が終わったこの時期になると、大地の香りがするアスパラガスや、繊細で甘いイチゴなど、他では味わえない地場の農作物を手に入れることができ、楽しみだったことを思い出します。日本では梅雨真っ盛り、食中毒が多い季節ですが、様々な食材が旬を迎える時期でもあります。栽培技術・冷凍技術の進歩で、なんでも1年中手に入る今日ですが、やはり旬のものはおいしいですね。食べると長生きできる気がします。便利な既成食品を食べることが多くなってしまいがちですが、たまには旬の食材を求めて市場に出かけてみましょうか。

五月のことば

 5月は、若葉・初夏などが季語になるようにすがすがしいイメージがあります。地球温暖化の影響でしょうか、近頃ではGWが明けると一気に真夏になってしまうように思え、一般的に6月1日に行われる衣替えも、それではとても間に合わなくなっています。
 このように、外部の環境変化のため、今まで「当たり前」であったことが当たり前でなくなり、違ったやり方に変わってしまうことがあります。
 会社関係でも「当たり前」のことは多いのですが、皆さんの周りではいかがでしょうか。「当たり前」と思っている仕事のやり方が、実態に合っていないことがあるかもしれません。「当たり前」の仕事をその本質から見直すと、仕事の意味や目的などを通じて、解決すべき問題やイノベーションのための課題が見えてきます。何か気付いたこと、少し気になる点があれば、一度「当たり前」を見直し、問題や課題の解決策を考えてみましょう。

四月のことば

 4月。優しい風の到来に体もほどけ、新入学・新入社等の新たな出発に心が湧き立つ季節である。新緑の萌芽には生きる力が満ちあふれ、再び巡り来た命の躍動を感じる。何か新しいことを始めるには良い時候だ。春は、日常生活に埋没しがちな者を呼び覚ます。さあ、始めよう!
 やり始めは元気が良い。しかし、新たな前進は軋轢を生むことも多い。様々な困難に見舞われ、ネガティブな思いが横切ることもある。
 ここで気付くのは、自立と信頼の大切さである。ネガティブな思いに惑わされない自己の確立と、それを支える環境。新緑のように傍らに寄り添い勇気づけてくれる人、いざというときに頼れる仲間達。そんな環境の中にあれば、自立した自己は思う存分力を発揮し、困難に打ち勝ち、大きく未来を切り開いていくであろう。
 春の訪れは、仲間と共にあることの大切さ、「皆で寄り添い、支えあえる風土」を創り育む大切さを感じさせてくれる。

三月のことば

 3月に入ったが、「平昌オリンピック」の余韻が残っている。
 日本選手団は、過去最高の13個のメダルを獲得した。日本選手の活躍はもちろんのこと、世界のトップ選手の技や美を見ることができた。その中でも際立ったのは、羽生選手の金メダル獲得だった。右足首のケガからの復活、幾多の困難を乗り越え、全身全霊を注いだ滑りでの獲得となり、日本中が沸きに沸いた。この素晴らしい感動を与えてくれて「ありがとう」と言いたい。
 さて、弊社ではこの度CSR活動の一環として、「社会貢献活動支援制度」を導入する。これまでも社会貢献活動は行ってきたが、より身近に、より取り組みやすいよう、活動した者に対して有給付与やポイント付加等を行う制度である。社会貢献活動が当たり前になるように浸透させていく。
 小さな努力の積み重ねが大きな成果につながっていく。日々の小さな感謝が、感動や幸せにつながるのである。
 さあ、まずはできることから始めてみよう。

二月のことば

 2月は暦のうえでは春、この季節の変わり目を節分とよび、邪気を払うために豆まきなどを行うとのことです。近年は、恵方巻をその年に神様が居られる方角を向いて食することも広まっていますが、元々は大阪の一部の地域での習わしを1990年代に、大手コンビニが全国に広めたとのことです。2月のバレンタインデーに女性が意中の男性にチョコレートを贈る習慣が、日本のチョコレート会社の販売キャンペーンが始まりという話は有名ですね。寒い時期、人の活動が鈍り、滞りがちな消費を上向ける知恵が、習慣を形にしていったということでしょうか。今年は、景気が少し良くなる期待が持てるとのことです。とかく出不精になるこの時期ですが、少し財布の紐を緩めて、欲しいものを買い、うまいものを食べて、心暖まるのもよいかもしれません。

一月のことば

 新年、あけましておめでとうございます。
 今年は戌年で十二支の11番目になります。
 十二支の順番は、元旦の日に神様の御殿に到着した順番ですが、犬は仲の悪い猿と争い、鶏は争いを仲裁したために到着が遅れ、「申」が9番目、「酉」が10番目、「戌」が11番目になったと言われています。
 「戌」には「滅ぶ」という意味がありますが、これは決して悪い意味ではないようです。戌年の前の酉年は、成長してきた草木が実を結ぶという意味があり、一つの成果が出たと言えます。
 また、戌年の後の亥年は、滅びた後に新たな種子ができるという意味で、新しい生命の始まりを予感させる年と言えます。
 戌年の「滅び」は、実を結んだ草木がいったん枯れ、その後で新しい芽吹きへと生命が繋がっていく、つまり大切なバトンタッチの意味を持っていると言えます。
 2019年に創立40周年を迎える弊社にとっても、2018年は次に進むための新しいステップの年となります。私自身も新しい成長に向けて、しっかり準備をして、この1年を過ごしたいと思います。