毎月のことば

2022

2022年のことば

十二月のことば

 12月、巷では年末商戦が始まっています。つい先日まではブラックフライデーと称したセールが行われていました。近所のスーパーに行くといつも思うのは、一年中○○セールなどと言って安売りやポイント還元を行っていて、ほんとの価格は幾らなの?ということです。そう思いつつも購買意欲を駆り立てられています。年末になると格別で、今年もあと何日とか、今年最後のとか言われると、何か買わなくちゃ、という気分にさせられます。

 まんまと乗せられているわけですが、実際に百貨店の売上は12月が年間の8分の1以上を占めるそうで、2021年の全国百貨店の年間売上高は4兆4182億円、そのうち5920億円が12月の売上だそうです。クリスマスや年越しの準備などもあるとは思いますが、年の瀬の気分に押されて、というところも大きいのではと感じます。

 物事を進める時、躊躇してなかなか踏み出せないこともあるので、調子に乗る、勢いに乗る、といった気持ちや思い込みの要素も重要と思っています。やってみないと分からない、やってから考える、行き当たりばったりはまずいですが、あまり石橋をたたき過ぎてもどうかと思うので、ある時点で「えいっ」と行動に移す。自分では決断できないことも多いので、そういう時には背中を押してやる、押してもらう。そうやって行動に、そして成功や成長につなげていく。特に若い人たちにはぜひそういう気持ちになって欲しい。

 大人たちには夜の宴も多くなる時期です。そちらではあまり調子に乗りすぎないように。どうぞ皆様よい年をお迎えください。

十一月のことば

 秋の夜、吹きそよぐ風と共に届けられる虫の音は、改めて季節の移ろいを感じさせてくれます。以前の住まいは自然がほどよく残った地域で、仕事帰りに、圧倒的な音量で奏でるコオロギさんの合唱に浸るのが、楽しみの一つでした。今は住む場所も変わり、車の騒音に紛れた虫の音を耳にすると、その頃が懐かしく想い出されます。

 そんなコオロギさん、電話を通しては相手に聞こえないのだそうです。電話が通す音の周波数は300~3,400ヘルツ。コオロギさんの鳴き声の周波数は4,000ヘルツ以上なので聞こえないのだとか。なるほど、こちらの話声が伝わればよく、外出先では周囲の雑音が入らない様気を付けることも多いですから効率的。とは言え、虫の音を届けられないのは少し寂しいですね。

 この虫の音が聴かれなくなると、彼ら同様、私たちも本格的な冬支度に入ります。

十月のことば

 9月はほぼ毎週末、台風が接近、または上陸しました。

 私自身は9月生まれで、両親によると私が生まれた時間帯は台風が接近しており、大雨の最中だったそうです。私の記憶では誕生日に雨だったことは少なかったと記憶していますが。。。

 10月は旧暦で「かみな月」です。一説では「雷無月:かみなし月(雷のない月)」が語源とも言われています。

 台風一過、晴れ晴れとして、穏やかで、過ごしやすい月になることを祈念したいものです。

 また、今年の10月の満月は10月10日。秋の夜長に、満月に願いことを唱えるもの良いですね。

九月のことば

 記録的な猛暑も終わりました。

 6月に伊勢崎で40度超え、東京都心でも猛暑日16日(連続9日)と記録づくめの猛暑となりました。6月の猛暑では、私も人生初、不覚にも熱中症でゴルフを途中でリタイヤしてしまいました。

 さて暑すぎてアウトドア活動を控えている中、この夏ハマったのは岡本太郎の芸術です。大阪中之島で世界中からほぼ全作品を集めた「展覧会 岡本太郎」が開催されており、何気なく見に行き、非常に衝撃を受けました。

http://taro2022.jp/

 岡本太郎(1911-96)は大阪万博(1970)の太陽の塔の作者や「芸術は爆発だ! 」などのインパクトのある名言、個性的なキャラクターが印象的とされる人物でもあります。

 作品群は時代毎に違った側面を見せておりますが、ピカソの影響もうけ抽象美術運動やシュルレアリスム運動にも接触しており、奇抜な配色・形の絵画やオブジェを多く残しています。

 確かに何が書かれているのかさっぱりわからないが、太郎曰く「(芸術は)うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」、芸術から不快感を感じ取り、それが人々の感動を呼びおこす、これが岡本太郎の芸術観であります。

 来年まで大阪、名古屋、東京で開催されるようですので、ご興味があればぜひ足を運び、体感してみてください。

八月のことば

 今年も暑くて長い夏がやってきています。

 30°以上の真夏日が当たり前のようになりクーラーが欠かせませんが、ウクライナ問題による石炭・天然ガスの値上がりに円安が加わり電気代はうなぎのぼりに上がっておりクーラーの電気代も懐に響きます。

 平均気温は年々上昇しているそうで、私が子供のころは暑いにしても今ほどではなかったような気がします。とは言えやはり夏は暑く、クーラーもない頃ですから、朝夕に打ち水で少し涼をとったり、簾をかけ日差しを和らげ、茣蓙を敷いてちょっとヒンヤリとしたところで扇風機にあたりながら過ごしていたように思います。

 それらで今の暑さは凌げるものではありませんが、クーラーの温度をちょっとだけ上げて節電すれば火力発電の比率が高い日本ではCO2排出を少しは減らすことができ、節約もできるかもしれません。

 買い物の仕方など他にもある日常の身近なところでできる節約は、無駄にしない、ロスをださないということにつながり、お金も貯められるSDGsの一つになりますね。

七月のことば

 7月を迎えました。

 1ケ月前のインバウンド解禁に合わせた訳ではないのでしょうが、我が家にも海外からお客様がやってきました。マンションではありますが、屋上にツバメが巣を作ったようなのです。目の前のベランダを軽やかに旋回し、チュピチュピと楽しげな歌声を聞かせてくれます。

 ツバメは外敵から身を守るため人の生活している所に巣を作ると言われますが、衛生面から迷惑だと思う人もいるでしょう。けれどもツバメの子が巣の中で過ごすのはほんの2~3週間程度。親鳥がせっせと餌を運び、飛べるようになるとすぐに巣立ってしまうそうです。

 子供達の餌を欲しがるピーピーという声もほんの一時。幸せを運んでくると言われる渡り鳥の大切な子育てを見守り、これからも続く長旅の無事を祈りましょう。

六月のことば

 NHK大河ドラマの平均視聴率は1980年代までは30%近くあったものが、90年代以降徐々に落ち続け、ここ数年は14%台にまで落ちてしまっているという。今年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、鎌倉を舞台の中心に将軍・源頼朝に仕えてきた13人の家臣たちの熾烈な勢力争いを、脚本家三谷幸喜氏が、時折現代語を使いコメディー要素も巧みに取り入れ、時代劇と視聴者の距離を縮めていることから見やすい作品になっている。前半の平均視聴率は15%台であるが、後半、どこまで数字をアップさせていくか注目している。

 さて、私の住むその湘南・鎌倉の6月といえば、梅雨の時期の風物詩ともいえる『紫陽花』が有名である。紫陽花の名所としては、あじさい寺で有名な「明月院」や「長谷寺」「成就院」を始め、一度は足を運びたいお薦めスポットが江ノ電沿線にも極楽寺界隈ほか数多くある。

 鎌倉駅から藤沢駅までの江ノ電沿線を、紫陽花だけでなく湘南海岸のインスタ映えする撮影スポットを見つけながら散歩し、お洒落なカフェでくつろぐ、そんな一日を今年は久しぶりに満喫できそうだが、皆さんもいかがでしょうか。

五月のことば

 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)から「ITパスポート試験に7歳の小学1年生(受験時)が合格」とのプレス発表がありました(2022年4月14日)。

 ITパスポートは「ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験」とIPAでは紹介されており、小学生にはハードルが高い試験です。出題分野は経営全般、IT管理、IT技術と幅広い上、問題文には”ふりがな”は無いことから漢字も勉強されたと察します(凄い!としか言いようがありません)。今後も才能をどんどん伸ばして欲しいですね。将来が楽しみです。

 さて、何故ITパスポートの話題なのか申し上げると、弊社ではこの試験を取得推奨しており、私も昨年末に受験して手強さを実感したからです(小学1年生が合格とは驚きです)。

 最後に、就職活動をされている学生の皆様には、このITパスポート試験の受験をおすすめします。就職面接でアピールできると思いますので、挑戦されてはいかがでしょうか?

四月のことば

 4月というと、桜の花が咲く景色を思い浮かべる方も多いのでは、と思います。

 600種類もあるといわれる桜のなかでもソメイヨシノは特に有名で、北海道、沖縄を除く地域の開花宣言に使われる標準木となっています。江戸後期に染井村(現在の東京都豊島区駒込、巣鴨付近)の植木職人が育成し広めたこの桜ですが、全国の木すべてがクローン、すなわち1本の木から接ぎ木や挿し木で増やしたものというから驚きです。

 このほかにも、京都丸山公園の見事な祇園枝垂桜、奈良吉野村の山を丸ごと彩るヤマザクラ、大阪造幣局の通り抜けで有名なヤエザクラなど、名所名木には事欠かないようです。

 今年の花見は、かつての日常を取り戻すきっかけになってほしいと思います。年に一度の美しい景色を見ることができる喜びをかみしめながら、みなが平和に過ごせることをお祈りしたいと思います。

三月のことば

 今年の冬は寒かった。そして長かった。3月に入り、東京ではようやく春を感じられるようになってきましたが、北国ではもう少しの辛抱でしょうか。

 弊本社からは皇居外苑を見ることができますが、皇居前広場には約二千本のクロマツが植えられているそうです。松の木といえば、冬になると幹にこもが巻かれ、春になると取り払われて、防寒対策なのかと思っていましたが、マツカレハという害虫駆除が目的で、こもの中で越冬したマツカレハの幼虫を春先にこもと一緒に焼却処分することを狙ったものだそうです。ところが、マツカレハの天敵となるヤニサシガメなどもこも中で越冬しているため、一緒に燃やされてしまう。さらに言うと、こも巻きに捕まったマツカレハは僅かで、天敵となるクモやヤニサシガメが大多数を占め、害虫駆除の効果は無くむしろ逆効果であるとのこと。結果、冬の風物詩であったこも巻きは、現在では行われなくなっているそうです。

 とかく人間のやることはうまくいかない。こういった例は枚挙にいとまがありませんが、人は人のやるべきことやりましょう。身のほどをわきまえて、その他のことは自然に任せて。

二月のことば

 「鬼は~そと、福は~うち!」、2月の日本の風習・行事を挙げるなら、まずは節分でしょうか?邪気を追い払い一年の無病息災を願う行事ですが、個人的には幼少期の思い出が強く、桃の節句・端午の節句に比べ行事の期間が短いので、今一つ高揚感に欠けるイベントでした。しかし、一説には室町時代の文献に見られるというのですから、長い年月に亘って定着し、受け入れられてきたことは間違いありません。

 こうした行事は、宗教的要素と娯楽的要素が適度にミックスされ、健康祈願や感謝・喜びを表現することが多いようです。その意味で、バレンタインデーもこれに準じて挙げてよいでしょう。西欧的でしかも商業的色彩が強く、節分とは少し趣が異なりますが、日本でも紆余曲折を経ながらも続いています。多様性が論じられる昨今、行事に対する考え方も変化していくのでしょうが、季節の節目にあたって、心に残る行事であれば、幾久しく時代を超えて残っていくのだろうと思います。

一月のことば

 新年あけましておめでとうございます。
 皆様、よき新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。
 1月は陰暦で「睦月(むつき)」。由来・語源にはいくつかの説があるそうですが、もっとも有力な説は、睦び月(むつびつき)が「睦月」に転じたというもの。
 睦び月とは、「睦び合い」(仲良くすること・仲睦まじいこと)の宴をお正月に行うことが由来だそうです。年末年始、ご家族、ご友人の方々との「睦び合い」の場があったと思います。
 新年スタートにあたり、あらためて「睦び合い」を大切に進んでいきたいと思います。